『チェリー / 野中ともそ』

チェリー(ポプラ文庫)

野中ともそ / ポプラ社

内容(「BOOK」データベースより)
夢のような幸せな日々には終わりが約束されていた―。
13歳の少年ショウタは異国の地でモリーという名の不思議な女性と出会う。
始めは奇妙な行動に戸惑うが、いつしか二人の間には絆が芽生えていった。
美しい自然を舞台に繰り広げられる永遠の出会いの物語。

p121 綺麗な場所に住むと、ひとは心まで綺麗になるなんていうけれど。そんなのうそだ。
     澄んだものを目に映したり、美しい場所に来れば来るほど、
   ひとは、自分のきたないところやうそっぱちの部分に気づかされちまうものだ。

p203 いついつまでに戻る、なんて言葉使っちゃったら、苦しいでしょ。いったほうが。
   ああ、そのときまでに帰らなきゃって苦しくなっちゃう。

p218 この女のひとは、甘さに飢えていたんだな、と。
   絶望した人生に、甘いひとさじを落としてくれるお菓子のような何かを。

p275 とてもだいじな思い出とか何かを愛した記憶って、モビールみたい。
    細くて見えない糸で結ばれている。
    頼りなく見えても、バランスが崩れても、鎖みたいにちゃんとつながってるんだよ。
    みんなどこかに行っちゃったとしたって、鎖の輪っかのどれかひとつに自分がいるって思うのはうれしいじゃない?

p285 だいじなことは、今のぼくにとってただひとつしかない。
    そのひとが生きてどっかにいる、それだけだ。
    息をして、笑顔で新しい朝を迎えている。ということだ。


:::::

この本の中に「ハーヴェイ」という白黒時代の古めかしいハリウッドのコメディ映画が出てきます。
この映画を観てみたいと思いました。

本を読むとき、巻末にある解説やあとがきが私は好きなのですが、
この本には書評家の方の解説が書かれていました。

良質な物語には、本の世界を超えて私たちの日常を明るく強く照らしてくれるだけの力があるのです。
…「思い出」は幸せな記憶となって、これからの彼を支え続ける。
本書を読んだ私たちの「これから」も。 


今年も本を読もうと思います。
そう多くは読めないけれど。
[PR]
by thurezure | 2012-01-11 06:07 | 読んだもの
<< おぼえがき つれづれと >>