『高山ふとんシネマ / 高山なおみ』

高山ふとんシネマ

高山 なおみ / 幻冬舎

<内容紹介>
このあやふやな世界を生きてゆくのだ。
大好きな人の声を、忘れたくない風景を、何度も脳に刻み、体にしみこませる。
ふとんの中から紡ぐ36編
人気料理家の著者がいちばんの“自分の感じ”を味わえる場所だという布団の中。
テレビは寝室の押入れにあり、本を読むのもたいてい布団の中。
そこは安心できる日常の場所でもあると同時に、宇宙の果てまでもつながるような不安定で無防備なところでもあるのです。
うつろいゆく世界のなかに確かなものなんてあるのだろうか――?
そんな問いを繰り返しながら、布団の中で見て、聴いて、感じた、映画や音楽や本のこと、生や死や大切な人のことを綴ります。
生きることの自由さと不安さとあやふやさをまっすぐに受け止め、五感をまるごと使って紡ぐ文章は、素材を生かしたおいしい料理のよう。
どうぞ存分に味わってください。
作品に触発され創作した料理のレシピも収録しています。

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 孤独とひとりぼっちは違うって、誰かが言っていた。
 赤ずきんは孤独だけど、さびしがりやではない。(p64)

 人は、いつか死んでしまうし、目の前にあることだって、少しずつ少しずつ分からないうちに変化して、最後には消えてなくなってしまう。(p87)

 生きることの中には、滅びゆくものと更新するものがいっしょくたにある。
 新しいことがはじまるのは、前のことが古びるということ。
 今あったことはさっきになり、そのうち過去のものいなって、忘れ去られる。
 悲しい記憶も、楽しい記憶もすっかり慣れ親しみ、むこうが透けて見えるくらいに薄らいでからでないと、
私たちは前へ進めない。(p126)

「ぽってるマッシュポテト」レシピ(p172)

 どうして誰も教えてくれなかったのだろう。
 この世界はワカラナイと。
 ワカラナイってことばほど、確かなことはないのにな。(p179)


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イラストもとても良かったです。
*高橋かおりさん
以前あった諸国空想料理店Kuu Kuuの元スタッフさんで、
2009年、「日々ごはん11」なども表紙・挿絵を担当していらしたのですね。
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by thurezure | 2012-01-22 17:54 | 読んだもの
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