『西の魔女が死んだ / 梨木香歩著』

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

梨木 香歩 / 新潮社


内容(「BOOK」データベースより)
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、
季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。
西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、
まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、
魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。
喜びも希望も、もちろん幸せも…。
その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

人の運命っていろんな伏線でおりなされていくものなんでしょうね。(35頁)

何が幸せかっていうことは、その人によって違いますから。
まいも、何がまいを幸せにするのか、探していかなければなりませんね。(58頁)

ただ黙々と続けるのです。
そうして、もう永久に変わらないんじゃいかと思われるころ、
ようやく以前の自分とは違う自分を発見するような出来事が起こるでしょう。(73頁)

変化を前もって知ることは、私からsurpriseの楽しみを奪います。
だから必要ないのです。(98頁)

死ぬ、ということはずっと身体に縛られていた魂が、
身体から離れて自由になることだと、おばあちゃんは思っています。(116頁)

その時々で決めたらどうですか。
自分が楽に生きられる場所を求めたからといって後ろめたく思う必要はありませんよ。(162頁)


:::::




私は、あとがきや解説を読むことが大好きです。
最初に読むか後で読むかを迷うことも、読書の楽しみの一つ。
単行本より文庫が好きなのも、文庫のあとがきが追加されているからだったりします。

この本の解説は、文庫本の表紙を描かれた早川司寿乃氏が書かれています。

自然の中での規則正しい生活で、まいの生物としてのリズムが目覚め、
体と心がしっかりとしてくると同時にまいの「魔女修行」が始まりました。
この、その人の持つ素質を伸ばす・自分で考え自分で決めるという魔女修行は、
本来の人らしい人になるということなのかもれません。
(解説223頁)

おばあちゃんの、この一見古風な生き方は、実は、
古くもあり、同時に最も新しくもあります。
(解説224頁)


自然から教わり受け継いできた知恵や、生活の基本を大切に感じ生活することこそが、
人が生きるに必要なものなんじゃないかなと思います。
心身忙しくしていた年度末に、繰り返し繰り返し電車の中で読んでいた本でした。
私も、まい同様に「おばあちゃん」に助けられたのでした。
[PR]
by thurezure | 2012-04-19 05:53 | 読んだもの
<< つれづれと つれづれと >>