カテゴリ:読んだもの( 62 )
『空色のアルバム / 太田治子』
太田治子。
太宰治の娘さん。
未婚の母、太田静子さんの子として生まれる。

まだ子供だった治子さんに、読んでも良しと母親から許されていた本は
「走れメロス」「斜陽」「千代女」の三作。

寂聴さんの本で、川端康成さんも感動した書として「ふたりの散歩道 / 太田治子」を紹介されていて、
それがきっかけで、私は太田治子さんを知りました。
NHK「日曜美術館」の初代アシスタント司会者としてテレビにも出演されていたのですね。
「私生活では長く独身を通していた。
 これは自身の出生の経緯や母・静子さんの肝臓癌発覚による看護・死去(1982年11月24日、享年69)による。
 30代後半に編集者である知人の紹介で見合い結婚をし、1987年に女児(万里子)を出産したが2004年に離婚。
 これに伴い、現在は文筆業を中心に再び盛んに活動している。」

私の中では、太宰治はものすごく遠い時代の人で、
その娘さんにあたる治子さんも、やはりすごく遠い時代の人に感じます。
(実際は、私の母と同じ歳にあたるというのに。)
この「空色のアルバム」は、治子さんが当時17才~20代後半に書かれたものです。
それから40年以上経った今の治子さんは…などと、現在の本を読んでみたくもなります。

治子さんが、太宰治の娘であるために、背負わされた十字架は重すぎたことでしょう。
でも、解説にもありましたが、この本で書かれていることはメルヘンのようで、
かなしく、苦しいことも、不思議に湿った暗さを感じなかったのです。
母静子さん、父方、母方の叔父さん、叔母さんなどにとても可愛がられ、
そして自身の前向きに生きる様子がとても伝わってきた一冊でした。

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「この子は私の可愛い子で父をいつまでも誇つてすこやかに育つことを念じてゐる」
生まれたと時、父が書き置いてくれた言葉。

「二十年経てば、世間は君の生き方を認めてくれるよ」
お腹に赤ちゃんができたことを告げられた時、太宰が言った言葉。
母の胸に深くしみた。
そして、生まれて半年目に太宰は死んでしまった。

父のことを、神さまのように偉い人と漠然と思っていたのが、
作品を読んでからは実感として信じるようになった。
作品を読むまでは、世間普通の家の子として生まれてきたかったと思っていたが、
読んでからは、これほど引きつけられるよな素晴らしい文章を書いた父親だったのだから、
平凡な父を持っている人より、ある意味では、仕合せだと思うようになった。

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by thurezure | 2011-07-28 05:47 | 読んだもの
FUKUSHIMA
『FUKUSHIMA福島原発メルトダウン / 広瀬 隆』を読んでいます。
とてもわかり易く解説されています。

広島に落とされた原子爆弾(原爆)で燃えたウランの量は、約800グラムでした。
現在、日本列島にある54基の原発では、平均すると1基が約100万キロワットを発電します。
100万キロワットの原発が一日稼働するとウランを約3キロ燃やします。
原発1基だけで広島原爆の3~4発分のウランを毎日、燃やしている計算になります。

(本書より抜粋)

まず子供たちの姿が思い浮かぶ。
頑張って生まれてきた赤ちゃんと頑張って産んだお母さん。
のんびりと草を食べる牛。
田畑にいる虫たち。
将来、すべての生き物が、変わらずに暮らせる日常がきちんとあるのだろうか。
うまく言えないけれど、悲しくなってしまいました。
今の積み重ねが、将来に悪影響を及ぼさないようにきちんと考えなくてはいけないのだと。
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by thurezure | 2011-07-14 06:15 | 読んだもの
『キレイな部屋の基本 / 沖 幸子』

キレイな部屋の基本―そうじの超カリスマが書いた

沖 幸子 / 大和出版


ドイツには、「整理整頓は人生の半分」ということわざがあります。
身のまわりがきちんと片付いていれば、あなたの人生は充実し、快適な生活が送れるというのです。
だから、「整理整頓」は人生の重要なキーワードなのです。


完璧を目指さないで!
①一か所の掃除は15分以内。それ以上やると心が疲れます。
②一度にひどい汚れに挑戦しない。一か所ずつ日と時間を決めて。
③はじめからパーフェクトを目指さない。30%のできでよしとする。

ホコリは天井からやってくる
①天井にホコリがたまれば、部屋中にホコリが集まり、部屋が汚れてくる。
②天井・壁は3ヶ月に一度掃除を。 

整理整頓の基本
①大切なもの(今いるもの、一週間以内に必要なものを中心に選ぶ)
②捨てるもの
③いま、決断できないもの
*この三つにモノを区別する。段ボールか紙袋を三つ用意。
 考える時間は短く、一秒くらいの即決がベスト!

二度と散らからないルール
①必要なことはその場で処理
②ながら、ついでの時に何かを整理する
③仕事の終わりは、整理するとき
④新しい何かを買うときは、古いものを処分する
⑤定位置、定量、定番を守る
⑥収納率70%の法則

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”掃除好き”にならなくても、”掃除上手”になればいいのです。
一か所の掃除は15分以内。それ以上やると心が疲れます。
の言葉に心躍りました。
ゆるく試みてみます。
習慣は自分で作るもの。
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by thurezure | 2011-07-12 18:30 | 読んだもの
『月下の恋人 / 浅田次郎』

月下の恋人 (光文社文庫)

浅田 次郎 / 光文社


本の最後に『月下の恋人』補遺として浅田さんの文章が寄せてあります。

…この短編集を改めて通読し、われながら何とまあ古くさい小説ばかりであろうかと呆れた。
ただしこの古さが悪いと思ったわけではない。
…はたして若い世代の読者が、こうした結構を持つ小説に納得するであろうかと私は懸念した。
だが重ねて思うに、これ以上の手法は使おうにも使えぬのだから仕方がない。
そう思い定めて、表題は『月下の恋人』とした。
雪や時雨や、蛍火や秋虫のすだきや、自然から遠のいた読者にはうんざりするようなさまざまの風景の中でも、
とりわけこの短編群には満月のイメージが濃いと感じたからである。…


私自身は、表題の「月」より”告白”の章に出てくる「雪」を濃く感じました。
不器用だけれど、誠実で温かい性格をしている血のつながりのない父親と娘の話です。
クライマックスに泣きそうになりました。
浅田さんの小説には、この父親像のような人物が時々、出てくるように思います。
とても魅力的で大好きです。

正直、この小説は私自身には早すぎたぁの思いが大きかったです。
10年、20年後に再び読んだとき、どんな風に感じるのだろう、などと。
最初から最後まで、そんな思いをずーっと持ちながら読んでいました。
なので、最後の浅田さんの補遺を読んだとき、妙に納得しました。
ばななさんの本の後に読んだものだからなおさら、あまりにも古くて…どうしようもなかったですぅ。
でも、この古さも浅田さんの魅力なのですね。
そこを知り得るには…まだまだ、な私でした。
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by thurezure | 2011-07-10 18:10 | 読んだもの
『アムリタ(下) / 吉本ばなな』

アムリタ〈下〉 (角川文庫)

吉本 ばなな / 角川書店



サンドイッチとコーヒーと、陽と、古い家具の部屋。
ベランダに揺れる花々。

失うものができると、はじめて怖いものもできるんだね。
でもそれが幸せなんだね。自分の持ち物の価値を知ること?

人間って簡単だなぁ。簡単さが偉大だとも。

「…つらいものどうしがつらさで友達になるなんて最低よ。
 …一緒に育って同じものを食べて、同じ親がいて。お父さんは違うけど、変わりないよ。」

小説の生みだす空間の生々しさっていうのは本当に年月を超えるんですね。
小説家はすばらしい職業です。特殊技能です。


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「…かたよっていた朔ちゃんのほうが、ぼくのつらさをわかってくれたような気がして」
と、弟の由くんが、しめ殺される前の鶏みたいな悲壮な顔してそのあとに、
「淋しくて、何だか」
と言い足します。
お姉ちゃんの主人公の朔ちゃんも同じ意見を思いながらも「ばかもの!」というのです。
そして、
「…つらいものどうしがつらさで友達になるなんて最低よ。
 …一緒に育って同じものを食べて、同じ親がいて。お父さんは違うけど、変わりないよ。」

と言葉をかけるのです。

単行本のあとがきで、ばななさんが、
”この小説は「きょうだい」の愛情の物語でもあると思っています。”
と書かれていました。

上下巻を通じて、姉と弟が一緒に、それぞれに、たくましくい心に成長していきます。
その様子がとても好きでした。
ぼくのお姉ちゃんを朔ちゃんと呼び、朔ちゃんは弟をおまえと呼ぶ。
この二人に会いたいなときっとまた思うはず。
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by thurezure | 2011-07-05 06:21 | 読んだもの
『ミッケ!』

チャレンジミッケ!6 こわーいよる

ウォルター ウィック / 小学館



我が家の子供たちと一緒で、私も「ミッケ!」が大好きです。
本中に書いてあるモノを、写真や絵から探し出すという本です。
これが、なかなか難しかったりもするのです。
大人気なく先に見つけて「ミッケー!」とあまりにも多く探しあてたりすると泣かれてしまいます。
かと思いきや、「ミッケー!」と言わずに参加していると「やってない。」と言われます。
それでも、楽しいのです。
1~3歳くらいの小さな子供でも楽しめる「ちっちゃなミッケ!」もあります。
贈り物はもちろん、外出のともにバッグに潜めておくと万が一の時にとても役に立ちますよ。

この本、糸井重里さんが翻訳されています。
私の中での糸井さんといえば、トトロのお父さんの声の主です。
とても合っている、と何度見ても思うのです。

「Mother 3 / 糸井重里」
たくさん思えば大きくなる
たくさん感じれば深くなる
楽しんでくれるほど育つ

『ミッケ!』糸井重里さんインタビュー
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by thurezure | 2011-07-01 06:56 | 読んだもの
『アムリタ(上) / 吉本ばなな』

アムリタ〈上〉 (角川文庫)

吉本 ばなな / 角川書店


「各家庭に、はたからみると考えられないような問題があって
 それでも食事をしたり、そうじしたりするには何の支障もなくて毎日が過ぎて行って、
 どんなに異常な状態にも慣れてしまったり、
 他人にはわからないその家だけの約束事があって、どろどろになっても、
 またいっしょにいたりするのよね。」

「…愛ってね、形や言葉ではなく、ある1つの状態なの。
 発散する力のあり方なの。…」

人は何を基準に、ある人を自分の知っているその人だと思うのだろうか。

何かしてやりたい。
どうして人は人に対してそう思うのだろう。何もしてやれないのに。

「自分の限界を知る、ということは、新しいレベルの真実の領域を見つけるということだって
 ユーミンもセナもジョン・C・リリーも言ってるよ。」

「…伝えるのは話なんかじゃないんだ。
 今の私の魂の状態を、丸ごと伝えることが大事なんだ。…」


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高山なおみさんの『帰って、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。』
の本の中に、ばななさんも登場するのですが、
”息継ぎの日。”の章で、このアムリタの本が登場してきます。
私がこのアムリタを読んでみたいと思ったきっかけが、ここにありました。

このアムリタは、もう17年近くも前の本なのですね。
予知だとか、特別な能力を持った人がこの本に登場してきます。
そんな人たちの深い心の部分も細かくたくさん書かれています。
非日常のことも、日常なことのように感じられてきます。
ばななさんの文章に惹かれて読んでいます。
様々な愛が詰まっていて、中でも姉(主人公)が弟を想う愛が私は一番好きです。
年の離れた父親違いの姉と弟。
切なくなってくるのです。

そして、アムリタ(下)へと続きます!
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by thurezure | 2011-06-26 09:25 | 読んだもの
『「キレイなキッチン!」のこつ / 沖 幸子』
人生にとって豊かな暮らしとは、地味で小さくても美しく丁寧に暮らすこと。

ものに住所を決める
  ・使ったらその場所に必ず戻す。
  ・「よく使うもの」、「必要なもの」から住所を決めて、最後にはみ出てしまうもの、
   それを処分するのです!

調理台にものを置かない

思い切ってキッチンのダイエット
  「これは本当に必要なのか?」
  「何のために使うのか?」
  「最近使ったのはいつ?」
  「1本(個)で間に合うのでは?」

配置を効果的に
  大切なのは、きちんと整理されているかではく、使う場所の近くにものを収納しているか。

使う頻度と収納場所の関係
  ・頻繁に使うもの(週一度以上)
   →手を伸ばすだけで、簡単に出し入れできるところに置く。
  ・月に一度くらい使うもの
   →背を伸ばしたり、かがめたり、他のものをのけたりして取りださなければいけない
     高いところや戸棚の奥にしまう。
  ・年に一度くらいしか使わないもの
   →クリスマスや正月の食器などは、まとめて箱に入れ、納戸や戸棚の一番奥にしまう。

::::::

もっと写真が掲載されていたらいいのにと思いながら読みましたが、
こうしてまとめてみると、とても良い本だったと思いました。
以上のポイントを制覇できたら!
ものもスペースも時間も、たくさんのムダ遣いがなくなると思います。
頑張るぞ。


「キレイなキッチン!」のコツ―そうじの超カリスマが書いた

沖 幸子 / 大和出版


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by thurezure | 2011-06-15 21:10 | 読んだもの
『強く生きる言葉 / 岡本太郎』

強く生きる言葉

岡本 太郎 / イーストプレス


「会ってみたかった。」
読んで間もなく、そんな気持ちが沸々と。
動く岡本太郎、話す岡本太郎を見たかった。
小さいころテレビで見た時、”変なおじさん…”と思ったことを悔やみました。

本書の言葉から、たくさんの強さと優しさをもらいました。
もっと自由に、とか。
自分ではなく人間として、とか。
そんな言葉に多く反応しました。

今は亡き岡本太郎氏に思いを馳せながら読みすすめ、
「君の心の中にいつでも岡本太郎がいるよ」の文字に泣きそうになりました。
さらに読みすすめ、最後のページ。


僕はきみの心のなかに存在している。
疑う必要はいっさいないさ。そうだろ。


あの変なおじさんは、エネルギッシュで真面目でとても優しいおじさんだったのでした。
大好きな一冊です。
誰にでも心に響く言葉がこの本の中には必ずあると思います。
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by thurezure | 2011-06-09 06:06 | 読んだもの
『考えない練習 / 小池龍之介』

考えない練習

小池 龍之介 / 小学館



朝早くぱっちりと目が覚め、余計な思考のノイズが残留することなく
一日をはじめられることこそは、仏道式生活の、何よりの贅沢と申せましょう。


感覚に能動的になることで、心は充足する
「見ている」という受動的な状態と、積極的に「見る」という能動的な状態。
「聞こえている」という受動的な状態と、積極的に「聞く」という能動的な状態。
「においがする」という受動的な状態と、積極的に「嗅ぐ」という能動的な状態。
「味がする」という受動的な状態と、積極的に「味わう」という能動的な状態。
「感じている」という受動的な状態と、積極的に「感じる」という能動的な状態。
これらの違いを認識してみる。

話し方の基礎は、自分の声音の観察から
ブッダも経典の中で述べていますように、早からず、遅からず、高からず、低からず、
明晰な話し方を心がけてまいりましょう。

計画する
何かを続けるために、大切なこと---それは計画することです。
人の性分は、基本的に自分の計画通りにいっているか、
いっていないかで、気分が良くなったりわるくなったりします。
1.最初に計画をじっくり立てる
2.それを貫徹しないと、あとで嫌な思いをすることを、あらかじめ自覚しておく
3.それを邪魔するようなものを見ない訓練をする

以上、抜粋。

::::

目指すところは、まさにここ!
ありがたい教えを頂きました。
合掌。


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by thurezure | 2011-06-05 16:47 | 読んだもの